参考書籍:交通事故!遭ったらすぐに役立つ本  │  加害者・被害者のための交通事故完全対応マニュアル新版

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保険会社の対応に困った

相手の担当者から、事故の状況がお互い違うと言われ、そのまま半年近く連絡がありません。仕事で車が必要なのですが、修理にも出せないで困っています。
  1. この事案について検討してみますと、次のように幾つかの問題が提起されます。
    1) 事故の状況の相違についての解決方法
    2) 半年間の事案の放棄
    3) 損害賠償の未解決・未払い

    1) について、交通事故は、双方の運転に関しての技術・能力・経験はもとより自己の健康状態、道路状況、周囲の環境、天候などに左右され、また、飲酒、過労、無免許など運転未熟、整備不良などの要因で発生すると考えられます。こういった点を踏まえて、1つの交通事故でも双方の進行方向に違いがあれば、相手を確認する位置・方向・角度・高低に相違が生じる結果となりますので、お互いの事故に対する見解の相違が出ることは当然です。よって、自分の契約する保険会社の担当者と共に再度、現場を訪れるなど現場確認を綿密に行い、相違する部分について明確にする必要があるでしょう。
     実務上は、道路の形態、一般道路・優先道路・十字路・丁字路・道路幅など、信号機設置の有無、道路標識表示の有無、スピードなどにより、過失認定の判例に基づき、おおよその過失割合の基準を引用する事ができます。それに当事者間の走行に関しての諸状態を加算・修正して双方の過失割合を認定します。よって、当事者間の見解・意識の相違は、現場の確認や交渉する中で若干の修正や補足する事によっておおよその合意が得られるのが通常です。しかし、その合意が得られない場合の要因として考えられる事は、大半は自己の正当性の主張や周囲の不適切な助言などが背景にあるからではないでしょうか。

    2) こういった要因を考慮して保険会社の担当者は、当事者間の紛争が長期化する事のないよう適切な助言をする必要があるにもかかわらず、単に事故状況が相違している点だけに着目して事案解決に努力せず、相手の出方を傍観するような担当者、または、処理能力に欠ける担当者など時折見受けられます。  この事案については、不幸にもこの種の担当者に遭遇してしまったようです。よって、半年間の長期に渡っての放置については、断固抗議すべきであり、担当者の上司、在籍支社・支店の長、本店の担当部署に直接説明を求めるなどの処置を行う必要があると思料致します。

    3) 上記事由による長期に渡っての保留や未解決は、直接、当事者間の損害賠償責任の遅滞・未払いとなりますので、これは単純に担当者の資質や姿勢の問題以外に当該保険会社全体の資質の問題にも通じる事であると思料致します。保険会社は、民間企業でありますが、交通事故など直接法律に接する非常に公共性の高いものであると認識致しますので、こういった事案についての責任は重大であると思料致します。よって、保険会社を管轄する国の機関にも連絡するなどの処置を検討せざるをえないと思料致します。

執筆者:サイト総合保険事務所

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